ワタシのセミリタイア戦略は、生活費の半分を投資からの収益でまかない、残り半分をフリーランスの仕事で稼ぐという、いわゆるサイドFIREというスタイルだ。もちろん超潤沢な資金があればすべてを投資運用で稼ぎ出すことも可能だが、残念ながら極一般的な会社員であったワタシにはそんな莫大な資産が貯まろうはずもない。もう会社に雇われる仕事はまっぴらごめんだったので、フリーランスとなって在宅で細々と稼ぎながらセミリタイアすることを目指したのだ。その計画の概要について触れてみたい。
まず、フリーランスで仕事をするといっても、1日の労働時間は4時間をMAXとする一定の制約を設けた。これ以上働くと、いったいそれはセミリタイアしたことになっているのか?という疑念が頭に浮かび始めるからだ。せっかくセミリタイアしたのだから、1日の中で自由に使える時間をできるだけ多く取りたい。それには1日4時間労働が限界ギリギリという気がするのだ。これなら妻との会話の時間も十分とれるし、猫と遊ぶ時間もある。何か突発的な用事ができたとしても(例えば動物病院)、楽勝で対応できる余裕がある。
では、生活費として年間いくら出費が必要か?これは現役時代のままではまずい。いずれ近い将来年金を頼りに暮らすことを考えると、今から生活費をそれなりに精査して無駄を排除していく必要がある。持ち家なのか賃貸なのか、住んでいる地域によっても生活費は影響を受けるが、我が家の場合はおよそ年間350〜360万円で人間2人と猫3匹が無理なく暮らしていけるとはじき出した。となると、年間180万円ずつを投資収益とフリーランス仕事で稼ぐ必要がある。
資産運用で年間180万円を得ようとすると、年利5%なら3600万円、6%なら3000万円のベース資金が必要だ。これに加えて、生活防衛資金として現金を2〜3年分、つまり1000万円ほどは持っていたい。だいたいこれがアーリーリタイアを決行する際の目標貯蓄金額になる。
仕事の方は、1日4時間で年間180万円、つまり月15万円、週に4万円弱なので、在宅で時給2000円以上を目指す必要がある。これはそれほど高いハードルではない。最初は時給2000円を切っていたとしても、慣れと工夫で生産性を上げることは可能だ。ただし、フリーランスの場合は毎日仕事が得られる保証はなく、稼げる時は忙しく、仕事がないと暇というムラが出てしまう可能性はある。ワタシの場合は翻訳を生業にしているが、これも最初の数年は月によって仕事量(=収入)の増減が大きかった。今は毎日コンスタントにできるニュース記事翻訳の仕事を手に入れたので、このムラは解消できている。また、今では時給3000円以上をキープできているので、当初の計画収入を上回っている(労働時間は増えていない)。あとは適切なタイミングでフリーランス仕事を辞めて、その収入を年金収入に置き換えればOKだ。
フリーランスで何を仕事にするかという考え方には、次のようなポイントがあると思う。まず大事なのは、好きなことや得意なことを活かすということだ。セミリタイアしてまで好きでもないことを仕事にしたくはない。会社員時代に培った複数の能力を組み合わせて、自分に何ができるのかを考える。でも、多額の出資が必要な事業はだめだ。典型的なリタイア後のダメダメ事業としてよく例に出されるのが、蕎麦屋とコーヒーショップだ。どちらも初期投資が必要で、今まで雇われ社員しかやったことのない人には経営センスなどなく、成功事例はほぼないと言って良いらしい。大事なサイドFIRE資産を目減りさせるリスクを、最小限に抑えることが重要だ。同じように、今流行りのSNSで稼ぐという類のものも避けたい。結局、副業セミナーなんかを主催するインフルエンサーの養分になるだけだ。そんなうまい話はないし、何の役にも立たない仕事で収入を得て何が嬉しいのか理解に苦しむ。詐欺師予備軍だ。
これぞと思われる仕事が決まったら、リタイアする前に副業で始めてみることが必要だ。その仕事が自分の想定通り収入に結びつくかどうか、会社を退職する前に見極めておく必要がある。あくまでリスクは徹底的に小さくするのだ。セミリタイア後いきなり路頭に迷うようでは、50代以降ではもう取り返しがつかない。炎天下で交通整理したければ別だが。
以上がワタシの実践してきた、投資とフリーランス仕事半々のサイドFIRE計画の概要となる。今では1日4時間の在宅ワークで、理想のサイドFIREセミリタイア生活を手に入れた。サラリーマン時代のような対人・対仕事のストレスは皆無で、収入や資産は想定より増えており、人生で今が一番楽しい時と言える。若くして億り人となってFIREするような派手な方法ではないが、これが一般的なサラリーマンが、無理な節約をせずとも自力で達成できる堅実なセミリタイア方法だと思う。
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