アラカンおやじのセミリタイアライフ

55歳で早期退職したサイドFIREおやじが日常と昔話を綴ります

知的労働者の生産性


前回の記事でセミリタイアしてからのユニクロ愛について書いたところで、タイミングよくファストリ柳井さんのセンセーショナルなコメントがネットを賑わせている。曰く、「知的労働者をもっと入れて、知的労働の生産性を上げるための勉強を日本でも海外でも一緒にやらないといけない」、「少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びるんじゃないですか」と。

 

なるほど。そんな事言うけど、じゃあファストリはどうなんだ?ご自身は失われた30年の間ずっと経営者だったのだから、ファストリこそ主犯者なのではないか?と聞きたくもなるが、それは置いといて・・・。今の超円安時代に、日本に外国の高度知的労働者が移民としてどんどん入ってくるとは思えないが、「少数精鋭で生産性を上げろ」ということだけは経験上大いに頷かされるものだ。

 

ワタシは国内企業と外資企業をそれぞれ15〜6年ずつ経験してきたが、両方を見て仕事のやり方で大きく違うところが、まさにこの「少数精鋭で生産性の高い仕事をする」という概念だった。海外では一人に与えられる権限が大きく、実にさまざまな仕事を単独で進めることができる。もちろん、その分責任も大きい。任された仕事の結果が会社の期待に応えられないことが続くと、容赦なく切られることもある。要は権限と責任の両方がバランスよく与えられた状態で、仕事を進めているのだ。

 

一方、国内企業では、担当している仕事に関する権限の範囲がものすごく狭い。これは自分が働いていた時もそう思ったが、外資系企業から顧客の国内企業の社員の仕事ぶりを見ていてもよく感じた。こちらが一人で出張すると、相手からはぞろぞろ10人近くも会議に出てくる。そして誰も話さない。逆のケースで相手がこちらに出張に来る時も、必ず3〜4人以上の団体でやってくる。最初の挨拶担当の部課長、本題説明担当のチームリーダー、議事録係の平社員、以下かばん持ち。海外出張でも、必ずこのワンセットが決まりだ。そして誰も読まないであろう海外出張日報を、遅くまで残業して全員が書いている。無駄の極致だ。

 

プロジェクト開始の決済を取るのにいくつも上長承認印を並べる必要があるため、何ヶ月もスタートを待たされることも当たり前だ。ひどい会社では(一部上場企業だ)、50万円以上の決済はすべて社長決済になっている。もちろん、社長の前にすべての役員を回って承認を取る必要があるのだ。それでいてこちらに対する納期にだけは厳しい。だったら早く始めさせろ、と言いたい。これでは担当者レベルでは、結局なにも決められないし、進められない。知的労働者が少数精鋭で生産性の高い仕事をするなんて、夢のまた夢の話だ。

 

こんな仕事のやり方では、当然海外企業のスピードにはついていけない。30年前ならまだしも、これだけ世の中が早いスピードで動いている現代では致命的である。特にITが発展した今、新興国の仕事のスピードはとても早い。いまだに大量の紙ベースでハンコを押しまくって進む日本企業ではとてもついて行けないだろう。
海外ではブルシット・ジョブと呼ばれ忌み嫌われるが、必要のない穴をひたすら掘ってまた埋めるの繰り返し、そんな無駄な仕事のやり方をいい加減に変えなければならないだろう。それを柳井さんは指摘したのだと思う。

 

ワタシはもう会社員をリタイアした身なので、勝手なことを言ってブログネタにするだけだが、前途ある若い人たちにはぜひ頑張って欲しいものです。えっ、そういうオマエは何してきたんだって?いやいや、それを深く反省しているからこそ、こうしてアーリーリタイアして若い人に道を譲ったんじゃない。どうかご勘弁を!

 

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