アラカンおやじのセミリタイアライフ

55歳で早期退職したサイドFIREおやじが日常と昔話を綴ります

海外ドライブの思い出

何を隠そうワタシは無類のクルマ好きですが、ここ10年以上は自家用車を所有していませんし、日常的に運転もしていません。最近の足はもっぱら電車、JR東日本専門です。家から歩いて10分に駅があり、そこから首都圏のほぼ全ての主要な場所に1時間以内にアクセスできるからです。それにこんな都会でクルマを持つということは、セミリタイア民のワタシにとっては、耐えられないほど無駄な出費を強いられますからね。
最近では近所に便利なタイムシェアも増え、どうしてもクルマが必要な時はそこで借りることも簡単にできるようになりました。便利な世の中になったものです。

 

そんなワタシでも、最近運転免許証の更新をしました。めったに使わないので、もちろん指紋すらないピカピカのゴールド免許です。実際、免許を取って40年以上になりますが、日本では事故らしい事故をしたことはなく、運転にはまずまず自信があります。海外に住まいしていた頃は自家用車を持っていましたし、旅行や出張でもいろんな国で運転した経験がありますから、左ハンドル右側通行も問題なくこなせます。

そんなワタシがクルマの運転で大きめのトラブルに遭遇したことが、過去に2回だけあります。初めて交通事故したのも海外でした。

 

1つ目はベルギー。まだユーロ紙幣になる前の1990年代初期に、仕事で6ヶ月ほど滞在していました。現地の会社にはレンタカーで通勤していたのですが、今は知りませんが、その頃のブラッセル市内の交通はまさにカオスの一言でした。
何が酷いかというと、徹底的な「右方優先」ルールです。基本、市街地の信号機のない交差点という交差点では、すべて右から来るクルマが優先されるのです。日本でも左方優先というルールがありますが、ベルギーのそれは全く逆のものでした。自分は太い道を直進しているのに、交差する右側の細い道から来るクルマが全く一旦停止せず、こちらをチラリとも見ずに右折してくるのです!こんな恐ろしいルールがあるでしょうか?この信じられない交通ルールのおかげで、直進する時は常に右側からクルマが来ないかどうか注意する必要があり、もう真っ直ぐ前を見て運転なんかしてられません。

これが街中のランナバウト(ロータリー)でもまかり通っているので、ひとたびランナバウトに入ると、右側からどんどん入り込んでくるクルマでなかなか前に進めなくなってしまいます。当然ランナバウトは大渋滞です。冗談のようですが本当の話で、EUの本部があってヨーロッパ各地のクルマが行き交う街にも関わらず、このローカルルールを貫いていたのです。こんなところでよく事故せずに6ヶ月乗り切れたと思います・・・。

 

2つ目はニュージーランドクライストチャーチの空港でレンタカーを借り、意気揚々と空港駐車場から乗り出し、しばらく行ったところに片側2車線の大きなランナバウトがありました。右手方向からランナバウトに進入してくるクルマは見えましたが、そのクルマが内側車線に入ったので、ワタシは左車線から入って2つ目の出口に向かおうとしました。ところが1つ目の出口に差し掛かったとき、内側車線を走っていたそのクルマが急に左折を試みてきてワタシのクルマの鼻先に衝突したのです!
おいおい。確かにワタシは左車線からランナバウトに入りましたが、まだ左折ウインカーは出しておらず、2つ目の出口まではそのまま走行できるはずです。これはNZのみならず、世界共通のランナバウト通行ルールなはずです。内側車線から強引に左折して被せられれば、逃げ場はないのは当たり前です。到着早々の事故、しかも人生初の事故に、もう怒り心頭です!
到着したポリスに「うんうん、オマエの言うことは分かった。裁判したらオマエが勝てるかもしれないが、それには最低4週間掛かる。旅行者でレンタカーならばここで示談したほうが得だろ?ん?」とたしなめられ、悔しいけれど歯ぎしりしながら空港レンタカーに事故車を返しに戻り(幸い自走できました)、別のレンタカー会社からクルマを借り直す羽目になりました。壊したクルマのレンタカー会社では借りられないのです(おそらくブラックリスト入り)。

 

あれから10年、もうセミリタイアしているので、金食い虫のクルマは一生持たないつもりです。年々知らず知らずに衰える運動神経のおかげで、意図せず加害者になっても嫌ですしね。運転免許証の更新も、今回が人生最後になるかもしれません。

いずれも忙しく海外を飛び回っていたあの頃の苦い経験ですが、今ではどちらも良い思い出です。

 

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